※死ネタです






人など愛してはいけない・・・いや、愛するものではないのだ

これは秀吉様を見て悟ったことだ

秀吉様はねね様を殺された。
天下を取るためには心を紛らわす『愛』というものが邪魔だからだ。


最初は私も驚いた。胸をグッと掴まれた感じがして、殺したことへの疑問を持った。
だが、秀吉様はその道を選んだ。天下を取るためには選ばざるを得なかった。


そして、私は悟ったのだ・・・





人を愛すことは自分へ負荷がかかることなのだと





***


あれから幾つの時が過ぎたのだろう・・・・
あの秀吉様と毎日輝かしき日々を過ごしていたとき・・・
今ではそれをどれだけ願ってもあの日々は戻ってこないのだ永遠に・・・・


秀吉様は死んだ。殺されたのだ・・・アイツに・・・家康に!!!!


奴は私たちを裏切り、反乱を起こし、秀吉様を殺したのだ
家康が行った行為は許されることではないのだ。


私は復讐を誓った・・・



だが私には一つ気がかりがあった。それは柚季を愛してしまったことだ
彼女は私には乏しい喜怒哀楽を持っており、よく笑っていた。
私はいつの間にか惹かれていたのだ。
そして何時しか彼女を心の底から欲しいと思っていた


彼女を手に入れたときは今までに味わったことのない心が温かく包まれる感情に満たされた。
これが『愛』なのだ、と初めて抱いた感情に私は酔いしれた。
私はこれを負荷のかかるものだと悟っていながらこの感情を手放したくなかった・・・


だが、私が復讐を誓った日から柚季は笑わなくなった。
彼女は笑わないことに反比例して泣くことが多くなった。
理由が何かは話されなくても分かった。だからそのことに私は一切触れなかった。


ある日、復讐と怒りに狂った今の私を哀しみで満ちた目で見て柚季は小さなか細い声で言った


「・・・もう止めましょう三成様・・・復讐はまた新たな復讐を生むだけです・・・」


耳を疑った。
柚季はもちろん私の行動に肯んずると思っていた

愛する者は愛する者の考えに同意するのだと・・・

だが違ったのだ・・・
私は哀しいというよりも憎く、腹立たしい感情に包まれた。


「貴様も・・・・貴様も・・・・私を裏切るのかぁぁぁ!!!!!」



ザバッァァァァ!!!



目の前には真っ赤に染まった柚季の姿があった
鉄のような鼻につく匂いが広がった


「私は・・・・私は・・・・・・うっ・・・う・・・アァァァァァァ」



頬をを伝ったのは血が目に飛び入り条件反射で流れた涙なのか、『愛』を失った喪失感から生まれた哀しさによる涙なのか・・・・

更に狂気に陥った今の私にはそれを判断する余地はなかった


愛は・・・・愛は私を追い詰めるためにあるものなのだ


辺りはカラスの鳴き声だけが響き渡っていた





















END

初死ネタです・・・・





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