ぺちゃぺちゃと水が鳴る音が耳に残る。
首筋には芸術のように散りばめられた赤い花が咲いている。
それは首筋だけには留まらず太ももにも咲かせていた。
頭上の上には紐で縛り付けられベッドと繋がった手首が放り投げられている。
当然服なんてものは剥ぎ取られ自分を隠すものなどなかった。
必死に声が漏れるのを耐えた。
「んっ…!ふっ…。」
「何抑えてんだよ。声を挙げろ。」
無理矢理口を抉じ開けられると厭らしい声が漏れる。
「あぁん…!らめ…。」
「こんな姿、大好きなキャプテンに見られたら恥ずかしいなぁ…。」
キャプテン、という言葉に反応する。
そう、今俺を犯してるのはキャプテンじゃない、剣城だった。
信じた俺が悪いのか、騙した剣城が悪いのか決めるものは何もない。
ただ残っているのは、事実だけだ。
「どうだ?乱れる自分をキャプテン以外に見せる気分は?」
「…最…悪。」
楽しそうに剣城は俺を見つめ、何度目か分からないキスを落とす。
その唇は優しさを帯びていた。
キャプテンとは違う、熱い唇と硬い舌に酔っていく。
乱暴な舌はゆっくりと俺の唇を舐めた。
「目がとろんとろんだぜ?」
「はぁっ…。」
いきなり自信を握り締められ、息を飲む。
扱われると下はどんどん大きくなっていった。
「漏らさないようしっかり我慢しろよ?」
何を言っているのか分からずにいたら、下の口に指を入れられた。
全く濡れていない指が窮屈そうに先に進めていく。
「いたぁっ…!」
「我慢しろよ。ローションも何も無いだろ?」
だからと言って唾液でも濡らしていない指を入れるか。
強烈な痛みが駆け巡る。
「チッ…。もう入れるぞ?」
「や、やだ!」
充分に馴らしていないのに切れるに決まってる。
痛みだけは避けたい。
だが、俺の制止の言葉も聞かずに剣城は無理矢理捩じ込んだ。
「いっ…たぁぁぁああっ…!」
「流石にキツかったか。」
きついと言いながらも抜く選択肢は剣城にはなく、それどころか奥まで進めていく。
力を向けば楽になるのはわかるがそんなことは出来ない。
だが、抵抗など手が使えない時点でできていなかった。
「あっ…!いやだぁ…っ!!キャプテンっキャプテンっ…!!」
何度も奥を突かれる度に浮かぶのはキャプテンのことばかりで、罪悪感が涙に代わり溢れてくる。
キャプテンを何度も呼ぶが目の前にいるのは剣城で…。
息が苦しくなってきた。
「キャプテン…キャプテン…っ!!」
「ちっ…うっせぇな!」
剣城に殴られると口の端から血が出た。
痛いがそれでも恐怖感よりも罪悪感が勝っていた。
「キャプテンのところに帰してっ・・・!」
「黙れよ!!」
「キャプテン…っ!!助けてキャプテン…!!」
「天…馬…?」
耳に聞こえたのはあれほど求めていたキャプテンの声で。
ドアに目をやるとそこにはキャプテンの姿があった。
なぜここにいるかなんてことよりも目の前にいるだけで涙が溢れてきた。
「キャプテン…。」
「お、やっと王子様のお出ましか。」
何が楽しいのか剣城は笑いながら俺を抱き上げた。
もちろんアレは抜かずにキャプテンに見せつけるように俺の脚を広げた。
「見ろよ、キャプテンさんよ。こいつのここは見ての通りだ。」
「・・・!!」
抵抗できない俺はされるがままだった。
キャプテンを見れば、今にも泣きそうな顔をしていた。
「なあ、松風。このままキャプテンさんにお前が他人に犯されてイクところを見てもらおうぜ?」
「や・・・やだぁ!!離して!!キャプテン助けてくださいっ・・・!」
救いであるキャプテンに助けを求めるが、キャプテンは立っているだけで助けてはくれなかった。
「キャプテン!!」
「残念だったな。おとなしく突かれてろ!」
腰を持ち上げられ見せ付けるように突かれる。
俺は一体誰に助けを求めればいいんだろう―…。
離れていく意識の中でキャプテンが笑っているように見えた…。
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