長編 | ナノ

彼の仲間と私


お弁当を仁王くんに届けて出してから数えて30日ほど経ったある日、中庭には彼の姿が見当たらなかった。















「あれ、仁王くんは?」
「おや、名字さんではないですか。
仁王くんなら今日はお休みだそうですよ。」

「あ、そそそそうなんだ!」


いつものように食事をするテニス部レギュラー陣の側に寄り
ぼそりと独り言をこぼせば愛しの柳生くんが眼鏡をくいっ、とあげながら答えてくれた。











(やっぱり、優しいなあ…。)











緊張が高鳴り、真っ赤な顔の自分がまともに話せてるか分からないが柳生くんの優しさは感じた。



「…連絡は受けてないのですか?」




帰ろうとした時に意外だ、と言いたげな雰囲気で再び話しかけられた。



…かなり感動です。



その一言に連絡も何もお互いに連絡先を一切知らない事に気付いた。







「ええっと、はい!わた、私も
に、仁王くんもお互いに連絡先を知らないので。」

ずっと憧れ好きだった柳生くんが目の前にいる。

緊張、感動。
2つの気持ちからかなり噛みながら懸命に伝えた。

















「にお「なあなあ!あんた名前なんてーの?!」」

柳生くんが何か話そうと口を開いたのを遮って
パーマがかかった男の子はぐいっと私の腕を引っ張り輝いた目を向けた。


(誰だろー…?
コートで見たこともないこともないかも?)

驚いたまま疑問の目を向ければ
男の子はキラキラの笑顔を向けて先ほどの質問の答えを催促する。






「あ、えっと…
名字 名前で、す。
よろしくお願いします?」

「名前先輩?
ちっこくて可愛いー!!」


答えれば男の子にぎゅーっと後ろから抱きしめられて、どうしたら良いか分からずに固まってしまった。






私の身長は女子中学生にすれば平均的でさほど低いわけではないはず…。
と、どこかズレた事を考えるほどに抱きしめられた事にパニック状態になった。













「赤也、止めないか!」
怒鳴りながら私から男の子のを剥がしたのは真田くんだった。
剥がされた男の子は不満そうな顔をした。


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