長編 | ナノ

37


次のダブルスでは向日君、日吉君ペアと柳君、ジャッカルペア。











試合が始まってしばらくしてから、隣にいたはずの桜井さんがいない事に気付いた。

「あれ…?」






キョロキョロと周りを見渡すがやはり見当たらない。


そして、何故か幸村君の姿が見えない事にも気付いた。

少し不安になったので
相変わらず芥川君の相手をしてる丸井に話しかけた。








「ねえ、丸井。桜井さんか幸村君どこに行ったか知ってる?」
「んあ?そういや…
名字がスコア付けてる間に二人でどっか行ってたな。」

「二人で?
どこに行ったんだろう…。
ちょっと弦一郎に聞いてみる。」



「あ、おい!」
















幸村君がマネージャーとして仕事を頼むなら私に一言言うはず。

ましてや練習試合中に自身が黙って消えるはずがない。


だから不安感が消えない。















弦一郎に一言言ってる事を願って弦一郎に駆け寄った。
「弦一郎!
幸村君と桜井さん知らない?」
「む、病み上がりなのだから無闇に走るな。
…そういえば見当たらぬな。」

少しばかり怒られたが
そんな事よりも弦一郎すら知らない事にますます不安になった。

念のために跡部にも訊ねたが、やはり知らないみたいだった。



不安だったがスコアもつけなければならないし、少し様子を見る事にした。

しかし休憩の時間になっても姿が見当たらない。


















「なんや、二人で逢い引きでもしとるんちゃうか?」
「それは絶対にねぇ。
渚は他に好きなやつがいるんだぜぃ?」

冗談めかしに忍足君が笑ったが丸井がばっさりと切り捨てる。


丸井の言葉に皆弦一郎に視線を密かに向けた。
弦一郎は特に表情を変えず榊監督と話し込んでいた。





















しばらくして榊監督の指示に従って二人を
私と丸井、弦一郎と跡部とで別れて捜すことになった。


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