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「それで、結局のところはそのマネージャーはどうなんだ?」
宍戸君が二人を呆れた顔で見てから無視を選択したらしく、私に尋ねてきた。
「あ、うん。 学校でも1、2を争う可愛い子で数日前の朝練の後にテニスコートで弦一郎に告白して、弦一郎は断ったんだよね。
で、その日のうちに幸村君が何故かマネージャーにしたの。
仕事は凄く出来るよ。 ミーハーかと思ったけど全然!」
思い出しながらありのままに話した。 彼女なら私がいない今も充分補える力があると思うと、なんか落ち込む。
「へー…せやったら、練習試合で会えるんやな。」 「うん。 うちの後輩マネージャーに手は出さないようにね?特に忍足君。」
妖しく微笑んだ忍足君をキッと睨みながら釘をさす。
彼も丸井達と同じで女性遊びは酷いから。
「…なんで俺なん?」 「わかってるでしょ。」
忍足君は「はあー…」なんて大袈裟に溜め息をついてから、そのまま向日君とコートに戻って行った。
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