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「名字さん。」 「幸村君?どうしたの?」
昼休みに入れば昨日とどこか被るように幸村君がクラスに顔を出した。
ざわっと女子が騒ぎ出す。
「あぁ、やっぱり仁王と丸井はサボりか。」 「まあ…いつもの如く。」
昨日のように二人が教室にいることは少ない。
片方だけならともかく揃っていた事は奇跡に近い。
「まあ良いよ。 明後日に氷帝との練習試合を組んだから、その事を二人にも伝えておいて。 後、その試合の書類を放課後にでも氷帝にまで届けてくれないか? 渚にはまだ早いだろうし。」
「うん、分かった。 それにしても急だね。」 「だいぶ前に頼んでいた話だったんだけど今日返事が来てね。 うちから頼んでいた話だし、急だけど断れないだろう?」
「あぁ、あの時のね。 分かった、一度部活に顔を出してから向かうね。」 「頼んだよ。」
幸村君は優雅に微笑んで去っていた。 うちのクラスの女子はまたざわついた。
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