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「なんじゃ、今朝も迎えに行ったんか?」 「うむ。再認識したが、やはりあの道は人が少なく危険だ。 それに、登下校の時間も行き先も同じなのだから一緒の方が効率が良い。」
飄々とした態度で仁王が尋ねた。
弦一郎の淡々とした言葉と、弦一郎の隣でにこにこ幸せそうに照れくさそうに笑う桜井さんを見て ズキッと胸が痛む。
「ほうか。 さて、着替えるか。」
ちらっと桜井さんを見た仁王はまたマイペースに聞くだけ聞いて興味がないように部室に入った。
私達もそれに続き部室に入る。
部室には幸村君と柳君、それから柳生君が揃っていた。
少し遅れてジャッカルと丸井が来て、最終的に完璧遅刻したのは部活が始まった頃に来た赤也。
部活が終わってから延々と弦一郎の説教を受けていた。
…少しかわいそう。
私は桜井さんと義務的な会話だけしながらマネージャーの仕事をこなしていった。
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