02
朝練が終わる直前に茶色の髪にパーマがかかった可愛らしい女の子が弦一郎に近寄って来た。
嫌な予感がして、話が聞こえる距離に近づいた。
「2年の桜井 渚と申します。 先輩の試合や練習ずっと見てました。 真田先輩、私好きです!
あの、いきなりなんで付き合うとかは無理かも知れませんが友達として見て貰えないですか?」
顔をほのかに赤くして 弦一郎を真っ直ぐ見つめる。
女の子らしい容姿を持つ彼女の言葉に不安が芽生えた。
「すまんが付き合うことはしばらくあり得ん。
今はテニスに打ち込みたいのでな。
友人としては構わぬがその先はないぞ?」 「構いません。私、待ちますから。 テニスをしてる先輩が好きなんです。 なんならマネージャーだってなんだってしますから!!」 「そうか、なら好きにしろ。」
目の前が真っ暗になった気分だった。
凄い黒い感情をあの子に持った瞬間でもあった。
最悪の1日の始まり。
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