長編 | ナノ

39


…side幸村…















三人が部屋を出るのは黙って見た。

止めたところで意味を為さない。












「何を考えているんだい?」

この俺でもたまに分からなくなってしまう人物。


仁王 雅治


彼の心理は理解しにくい。















「…ふっ。
可愛い後輩が心配で
好いとる奴に醜い争いを見せたぁないだけじゃ。

まあ、ブン太は荷物持ちってとこかの。」

不敵に笑う仁王。
負けじと俺も微笑む。













「…そうか。
なら、終わりだね。

この後すぐに病院を通じて警察なり教師なりが来るだろうから。」

どうせ、時間はもうない。
これだけ騒いだんだ。

赤也たちも外に出た…
時期に病院の人間来る。


「一つ、お前さんに聞く。
何故赤也だけ狙ったンじゃ?」
「…ふふっ。
赤也だけ、じゃないよ?
もちろん君も
一番邪魔なブン太も視野にあった。






ただね、一番赤也が馬鹿正直だから一番に襲っただけ。」













それからは部屋にブン太たちが呼んだであろう警察官が来るまで

俺も仁王も



お互い無言だった―――。





















…side幸村…終


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