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…side幸村…
三人が部屋を出るのは黙って見た。
止めたところで意味を為さない。
「何を考えているんだい?」
この俺でもたまに分からなくなってしまう人物。
仁王 雅治
彼の心理は理解しにくい。
「…ふっ。 可愛い後輩が心配で 好いとる奴に醜い争いを見せたぁないだけじゃ。
まあ、ブン太は荷物持ちってとこかの。」
不敵に笑う仁王。 負けじと俺も微笑む。
「…そうか。 なら、終わりだね。
この後すぐに病院を通じて警察なり教師なりが来るだろうから。」
どうせ、時間はもうない。 これだけ騒いだんだ。
赤也たちも外に出た… 時期に病院の人間来る。
「一つ、お前さんに聞く。 何故赤也だけ狙ったンじゃ?」 「…ふふっ。 赤也だけ、じゃないよ? もちろん君も 一番邪魔なブン太も視野にあった。
ただね、一番赤也が馬鹿正直だから一番に襲っただけ。」
それからは部屋にブン太たちが呼んだであろう警察官が来るまで
俺も仁王も
お互い無言だった―――。
…side幸村…終
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