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「だから? 俺の名前に無断で贈り物送ったあげく 俺のいない間に名前に近づいて…
忌々しい。」
精ちゃんは赤也くんの頭髪を掴み顔だけを上げさす。 赤也くんからは呻き声が聞こえる。
そして最後の一言でゾクリとする冷たい目線に変わり、雰囲気を歪んだものになった。
「まあ、今となれば仁王もブン太も結構目障りだったみたいだけどね?
…もうお喋りは疲れたな。」
そう漏らせばこちらをチラリ、と見て歩んで来た。
「二人が来たらこの事が全部公になる。
その前に、君を俺と同じとこに連れて行くよ。」
最後にニコリと微笑んだ。
同じとこ…。
あの世ことだと目が言っている。
精ちゃんの手術が成功するのが低い確率なのは知っている。 けれど必ずしも死ぬ訳ではない。
生きる確率の方が高いし、死んだからと言ってどうにかなるわけでもないのに…っ。
何故…?
何故精ちゃんはこんな事をしたの?
何故精ちゃんは…
聞きたいことはいっぱいあるのにッ 怖くて言葉が出ない…。
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