長編 | ナノ

35



「ふはっ、馬鹿な奴等。
やっと俺にたどり着けたんだ…ふふ。」





















「な、んで?どうしてあなたが…?」
「名前が愛しくて愛しくて、堪らないからだよ?」




















今から遡って、ブン太が用事が出来たと病室から出ていった直後。

鈍い音がして、視線を移せば赤也くんが赤い液体を流しながら倒れこんだ。





それが血だと気づくのに時間はかからなかった。
訳が解らず赤也くんの名をひたすら叫びながらかけよった。





しかし誰かにうつ伏せに押し付けられ手足を縛られた。

















見れば、それは
精ちゃんだった――――。


















そして鈍い音は精ちゃんが握る折れたラケットからだと分かった。

次は赤也くんにも同じく手足を縛った。




そしてテレビを着けた。

テレビには仁王くんが映っていた。
音声を聞いたらブン太の声も聞こえてくる。
内容は驚きの連続だった。






それ以上に精ちゃんがブン太に盗撮する何かを忍ばせたのも吃驚した。

そして冒頭に戻るわけである。



















「精ちゃん…ッ
理由にならいよ?!」

「クスッ…。
名前は可愛いね。
それが理由になるんだよ。
充分、ね。」


まさか精ちゃんがこんな事をするなんて頭になかった私は、
この状況下に置いても頭が真っ白で状況を整理出来ない。

精ちゃんはニコニコしながらベッドに腰を下ろして
紐で身動き取れず起き上がれない私を見ている。



相変わらず赤也くんの頭からは血が流れて床には血溜まりが出来ていた。

赤也くんはまだ完治してない体に頭を思い切り殴られたせいか
意識がないみたいだった。















「しかし、ブン太も仁王も赤也も…
考えが甘いと言うかやり方がなってないよね。

病院生活の俺にも把握されてるくらいの行動しか取れないなんてね?」

そう言いながら精ちゃんは赤也くんの近くに歩み頭を足で小突いた。







「赤、也く…っ!
精ちゃんやめて!!!!!
赤也くんはこの前の件でも頭を打っているんだよ…?」




紐で身動きが出来ないながらもがくがびくともしない。
かなりきつく結ばれたみたい。


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