長編 | ナノ

34


…sideブン太…












名前を病院に置いて、仁王の家へ向かった。

着いた頃には仁王はシャワーを浴びて私服に着替えていた。




「よぉ来た。ブンちゃん、上がりんしゃい。」

仁王の家は豪邸だ。
仁王の親は基本的に不在で俺は一度しか見たことない。

仁王の部屋に通されて
10分はお互いに無言だった。











「…話っちゅーのは、希沙のことじゃろ。」
「あぁ…。」

先に口を開いたのは仁王。
仁王なら俺の考えなんて丸分かりだろう。















とりあえず俺は今回、名前の周りで起こった事を言った。
瓶、手紙、電話のこと。

赤也と幸村くんは知ってること。

瓶の犯人は電話の人物により赤也に確認し、赤也と判明したこと。

その電話の番号が仁王と名前の誕生日からなること。
















全部、話した。

「…聞きたいんは、俺がほんまに電話の相手か否か…か?」
「幸村くんは仁王がそんな浅はかな事はしないって言った。
でも万が一ってことがあるだろぃ?」

お互いに顔を見合わせる。



話している間、常に仁王はいつも通り飄々としていて
余裕の笑みを浮かべている。

「はっきり言おう。
それは俺ではないのぅ。」
「そっか、わかった。」

仁王の答えを聞いて俺は内心ホッとした。
仁王が犯人と勘ぐっても犯人であって欲しくなかった。

仲間を…赤也を入院させた黒幕が仁王なんて嫌だった。






「…随分あっさりじゃな?」
「まぁな。
お前が言うなら素直に受けとる。
お前に、化かし合いに敵わないし。」
「…ふーん?
まぁほんまに電話は俺やないよ。
赤也を入院させたら俺のテニスに響く。
そこまで馬鹿じゃなか。




じゃが、赤也が瓶の犯人やと俺はしっとった。」
「な…ッ?!」




一瞬耳を疑った。
仁王が赤也が犯人だって知ってた…?
























「一度、見たことがある。
その日以来、俺は希沙に手紙を入れるようになった。」
「はあ!?」

もう何がなんだか分からず頭が混乱した。


仁王は、赤也が瓶を入れるとこを見たことがあり
さらに手紙の犯人は仁王…?

「ちょ、と待て。
なんで赤也が瓶入れてるのを見たからって
お前が手紙を名前に出すんだよぃ!!」
「赤也と同じ。
俺も名前が好きじゃから。」

もう…頭はショート寸前。


「…赤也と言い…お前と言い…。
んで、あっさり…。」
「赤也は名前が聞いたからじゃろ。なんせうぶじゃから。

俺は、その電話のことが無ければ言うつもりはなかったのぅ…。」


「は?どういう事だよぃ…?」
「その電話は俺でも赤也でもなか。」
「っ、やっぱり第三者かよぃ?」







「…お前さんも良ぉ知っとる奴じゃよ。
出掛けるぜよ、付いてきんしゃい。」



言われた言葉が理解出来ない俺は
とりあえず仁王に付いて行った。













…sideブン太…終


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