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…sideブン太…
「ありがとう。 精ちゃんはダメ、かな?」 「幸村くん? 確かに適役かもな、連絡取ってくれぃ。」
名前の口から幸村くんの名前が出た時の俺はきっと、醜い嫉妬を写した顔になっていたと思う。
名前は気付かずに、嬉しそうに幸村くんに電話している。
名前と幸村くんの接点なんて何も無いと思っていたから、病室で親しく話す二人に孤独感を感じた。
何も聞いていない自分に意味もなくイラついて… つい、幸村くんを睨んでしまった。
バタバタしてるから名前と幸村くんの繋がりは未だに謎だし。
助けられた、って幸村くんは言ってた。
俺って意外と嫉妬深く、束縛心が強かったんだと自覚した。
最近名前の近くに多くの男の影がある。
赤也、仁王、幸村くん、ストーカー…
俺にはこれ以上、想いを隠して見守るなんて無理なんだ。
この事件が終わったら、俺は…―――――
…sideブン太…終
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