長編 | ナノ

22


ご飯を食べて、お風呂にも入って
母の言うように私の部屋にブン太は寝る。


昔からブン太は私の、私はブン太の部屋に寝ていたから今更なんだけど…





少しは親にもブン太にも懸念して欲しい乙女心は私にもあるので
皆の気遣いは微妙だ。



















「名前、携帯見せて?」
「はい。」

話を一通り聞いたブン太は犯人を見つけてやる、と言った。
でも電話の相手は赤也を襲った犯人だから、間違いなくブン太にも危険が及ぶ。

「ねえ、やっぱり危ないよ?」
「ばぁか。充分お前のが危ねぇだろぃ!
俺は仮にも男だから大丈夫。」

ニカッて笑ってすぐ携帯に目を移した。











「…なあ、お前の誕生日っていつだっけ?」
「え…?」

「この携帯番号の下四桁、見覚えねぇーか?」





私の、誕生日…。



「前の四桁にも意味ありそうだな。」
「でも確か、選べなかったはずじゃない?」

「ストーカーがする事は普通じゃねぇ…。
それにこの四桁にも見覚えあんだよぃ。」


私の誕生日が携帯番号に入ってるのは全く気付かなかった。
良かった、ブン太がいて。











「んー、こういうのは柳だけど、下手に話してもややこしいしな。
仁王に少し話したんだろぃ?
仁王も謎解き得意だったな。」

「う、うん。朝の事だけ。
でも、仁王くんといる時に変な視線を感じたの。

気のせいかも知れないけど、一応…。」

屋上でのあの視線、気のせいにしろ何か嫌な予感がする。


ブン太の親友なのは知ってるけど今回は遠慮したい。









「視線?分かった。
仁王のファンの目もあるし、話さないでおく。」

ニコニコしながら頭をポンポン触る。

















―――刹那、
頭に過った精ちゃんの顔。

そうだ、彼なら分かるかも知れない。



部長だし頭もキレるし

…何よりブン太以外に唯一信頼、出来る人物。



「ありがとう。
精ちゃんはダメ、かな?」
と、ブン太の様子を伺いながら聞いてみた。


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