19
精ちゃんは一人一人目配せしながら赤也くんの方を向いた。
「それで、赤也。 何があったのか話せ。 皆揃ったし、出来るだけ詳しく。」 「うっす!」
〜回想〜…side赤也…
昨日夜中回ってから…1時過ぎだったかな?小腹が空いていつも利用しているコンビニへ出掛けた。
色々買った帰り道、行きがけにはいなかった人影が道端に座り込んでいた。
(なんだよ、こいつら。うっぜーなぁ…)
ちらっと見てすぐに視線を外して通り過ぎたら頭に衝撃が走った。
頭を抑えながら振り返れば さっきの二人組が鉄パイプを持っていた。
一つの鉄パイプはなんか濡れていた、…俺の血だ。
「っ…なんすんだよ!! 誰だよ?!おめぇら!!」
二人は黙って俺を倒して右腕に足をおいた。
「ちょっ!待て!! 何する気なんだよ?!」
< バキバキッ >
「…うわぁああああ!!!!!! や、…めろッ、 ぐっ、ぐぁあぁああっ!!!!!!!!!」
鈍い音の後になんとも言えない痛いが走った…
「で、痛みで意識が飛んで気付いたら病院にいました。 帰りの遅い俺を探しに来た母さんが救急車を呼んだらしいんスけど。」 赤也くんは俯いて、それ以上は語らなかった。
「その二人組が立海大付属の人間に間違いはないのか?」
「ッス。 ちゃーんと制服も制服についてるエンブレムも見ましたから!」 「わかった。 正直、学校も警察も動いているから俺たちは動かない方が良い。」
精ちゃんの言葉を最後に、誰も言葉を発する事はなかった…。
その日は皆、学校へは行かずにそれぞれの帰路についた。 テニス部は休みにする、と精ちゃんが言っていた。
自室に入り赤也くんの事をボーッと考えていたとき、携帯が鳴った。
゙090-1204-****゙
あの番号だった。
<プルルルル...プルルルル...>
鳴り続ける携帯に恐怖心が蘇る。
<プルルルル...プルルルル...ピッ...>
出なきゃ良いのに、何故か出てしまった。
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