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着いた病院はテニス部部長が入院する病院だとブン太が教えてくれた。
最もブン太に教えられるまでもなく、赤也くんの運ばれた病院に入院してるのは知ってたけれど。言わないでおこう。
赤也くんの病室は個室で 先にブン太がドアを開けてドアを塞ぐように立ち止まった。
「ちーすっ! 赤也、大丈夫かよぃ? 話は幸村くんから聞いたぜ。」 「丸井先輩!大丈夫っス!!
…入院っつーのが嫌っスけど…」
「そうか…。 そんな赤也が喜ぶ土産持ってきたぜ。」 と諭され、ブン太が中に入っていったので中にテニス部レギュラーの人たちがいたが、私も遠慮がちに入った。
「おはよう、赤也くん。」 「名前先輩!!?来てくれたんスね…!」 「よぉ来たな、名字。」
挨拶したら 赤也くんと仁王くんが挨拶してくれた。
他の部員さんも会釈してくれたのでしかえした。
「マジで後遺症は残らねぇんだよな?」 「ふっ、丸井は心配性だな。 100%の確率で問題ないだろう。 そう医者も言っていたしな。」
ブン太が誰となく訪ねると、私たちと同じ学年の柳くんが答えた。 柳くんは成績優秀でも有名だから分かる。 と、いうかうちのテニス部レギュラーは基本成績優秀者ばかりだけど。
「あれ、名前じゃないか!」
突如後ろから声が聞こえ、振り向くとドアに背中を預けている 病院服姿の精ちゃんだった。
「あっ、精ちゃん!久しぶりだね。」 「ふふ、名前がお見舞いに来てくれないから…」
つい私は精ちゃんに歩み寄り、精ちゃんも手を自分の口に添えて微笑んでいた。 親しげに話す私達に真田くんを除く他のレギュラー陣は目が点になっていた。
「ん?…あぁ、皆は知らなかったっけ? 昔、俺は名前に助けられてね。 それから交流があるんだ。」 「ぃゃぃゃ!そんな話聞いた事ないぜぃ?!」 「幸村部長…いつの間に…」 「ほぉ…幸村もやるのぅ。」
にこやかに微笑む幸村くんに対して ブン太、赤也くん、仁王くんが他のレギュラー陣に比べ驚きが大きい。
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