長編 | ナノ

11


「仁王くん?来たわよ。」

あの後放心状態だった私にブン太が声をかけてきて瓶がないことに疑問に思っていたが、仁王くんのことを話すべきか悩んだのであやふやに終わらしてしまった事を少し後悔しながら
昼休みになる前から姿が見えない仁王くんの朝の言葉のために屋上行って見れば、飄々とご飯を食べていた。

「まあそう睨みなさんなって、
此処に座りんしゃい。」

おまけに此処に座れと自分の隣を指さしていた。

「私は仁王君とご飯食べに来たわけじゃないんだけど…。
てか、部活の練習があるんじゃない?」



毎日テニス部は朝練と放課後に限らず、昼休みや休日も練習で潰れてしまうのはブン太を伝って知っている。
しかし仁王くんはどこ吹く風で「ピヨッ。」と発してただけだった。

「…真面目に答えてよね、まぁ良いけど。
それで私に何の用?」


ご飯をモグモグと食べながら
「…して、この瓶はなんなんじゃ?」
と、毎朝私のロッカーに入っている瓶をゆらゆらと揺らしながら私に見せてきた。


「…仁王くんには関係ないでしょ。
…あ、いるんならあげるわよ?」

「プリッ。」なんだか話にならない気がする。
でも下手に喋りたくない私は仁王くんの言葉を待った。


「で、これはなんなんじゃ?」


先ほどと同じ問いを再び笑顔で尋ねられる。

…この威圧感。ただの中学生が出せるんだろうか…。


なんとか誤魔化そうと試みたけれど仁王くん相手にはそれは叶わなかった。
「えっと、実はですね…―――」















仁王くんに放課後の手紙のことは言わずに、瓶のことだけを話した。
半年前から突然置かれていて、それから毎朝欠かさずにそれはいつもあったこと。
幼なじみのブン太がいつも捨ててくれたことを私なりに話した。

「ふー…ん。
不気味じゃのぅ、恐い恐い。」

そう口で言ってるわりには顔が物凄くいつも通りな気がするのは気のせいだろうか?


「そのわりには仁王くん、顔がいつも通りだよ。」
「ところでお前さん、ご飯食べんでも良いんか?」

即座に華麗に話を変えられたが、仁王くんの言葉に慌てて携帯を覗いた。

昼休み終了まで後5分と言う時刻を見て、仁王 雅治と言う人物を私は嫌いになりました。

そんな私の気持ちなどお構いなしに
「次、サボるか?
付き合うぜよ。」

とサボりに誘惑してくるしまつだ。


そういえばかなりの確率で仁王くんは教室にいなかった気がする。
今までもサボりだったのか。






そんな誘いを受けても当然うけるまでもなく首を横にふる。

「サボりません。
ブン太がサボるならサボるかも知れないけどね、次体育だからブン太は出るわ。」






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