長編 | ナノ

接近


オペラ鑑賞の初日以降、全くと言って良いほどにジローを見かけない。

この前の保健室と言い休みの日と言い3日前と言い、ただ運が連続して良かっただけなのは分かってはいるけれど。






それでも期待してしまうのは仕方ないと思いたい。















「あ…」

今日も鑑賞する為に扉を開けると、いた。
いつまでも見ていたいくらい大好きなジロー。

今日は跡部君たちと一緒にいるみたいで眠たそうな顔で何か相打ちを打ちながら跡部君と話していた。























―――ばちり。




雪菜と一緒に席に座ってからもぼけーっとジローを見つめていると、ジローと目が合った。…と、思う。





















あ と で そ っ ち に い く ね










多分…多分だけど口パクでそう言われた、と思う。


何かを悟った雪菜が強引に席を少し空けて、申し訳ないと思いつつも
どぎまぎしながら上映開始を心待ちにしている自分がいた。


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