鑑賞
あまりにも食い入るに見ているせいか、ジローも私を見てお互い目が合っている状況になった。
視線を外すタイミングも話しかけるタイミングも掴めない自分に苛立ちを覚えた。
「おめー…いや、良いや。 ちょっと膝借りるC。」 「、え?」
ジローは何かを言いかけていたけど思い直したかのように一度口を閉ざした。 そしてすぐに腰に両手を絡ませ頭を膝に置きながらおやすみと言って寝息を立て始めた。
いきなり過ぎる展開に意識は全てジローに持っていかれる私とは違い、ジローは悠々と膝の上で寝ている。
どうすれば良いのか分からず、というよりは、どうしようもないので 私はジローが起きるまで緊張しながらもジローを観察する事にした。
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