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切原くんが彼女に名前を尋ねながら抱きつき、真田くんに叱られるのを尻目に仁王くんにメールを打つ。
―――――――――― TO:仁王くん ―――――――――― 件名:体調大丈夫ですか? ――――――――――
風邪の具合はいかがですか?
名字さんの事ですが 何故連絡を しなかったのですか?
今日も仁王くんに お弁当を届けに 中庭まで来てますよ。
end ――――――――――
体調を尋ねながら質問するのはやはり非常識だと中止ボタンを押すものの完了表示がされ諦めて携帯をしまい、再び彼女の姿を見ようと探せば丸井に肩をくまれ何やら話込んでいる所でした。
「は!?付き合ってねぇの?」 「え?う、うん。」
突如丸井くんは信じられないといった表現で彼女を見た後に質問を投げかけました。
まさに自分が疑問に思った事を、です。
「じゃあ、なんでお弁当持ってくんだよぃ?」 「あ、それは仁王くんに頼まれたから…。」 「仁王から?!」 「う、うん。」 「だあー!謎過ぎだぜ仁王!」
聞いてくれたのは良いですが髪をかきむしり突っ込んで聞いてくれませんでした。
何故か残念な気持ちになりながらポケットで震える携帯を取り出し、受信した仁王くんのメールを見る事にしました。
―――――――――― TO:柳生 ―――――――――― 件名:大丈夫なり ――――――――――
いつもの軽い風邪じゃ。
ああ 俺ら連絡先知らんけえ 明日は行けそうじゃし 明日本人に謝る。
end ――――――――――
―――――――――― TO:仁王くん ―――――――――― 件名:良かったです。 ――――――――――
ぜひ、そうして下さい。
end ――――――――――
詳しい話は体調が整ってから聞こうと思い送信完了したのを見届けて携帯をしまい込む。
どうやら彼女は一緒にお昼を食べる事にしたらしく、丸井くんの隣でお弁当を広げていました。
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