03
話こんでいたいたからいつの間にかかなり時間を消費したらしい。
この派手な集団の前に慣れたとはいえまだ緊張もかなりするが この時間だと友人たちも食事は終わった頃だと思ったのと、柳生くんと食べたい気持ちもやはりあるわけで…。
だから一緒に食べることにして、大人しく丸井くんの隣に腰を落とす。 (これで柳生くんの隣なら死ねるかも…。)
座りながらそう思った私の視線は柳生くんにあった。
柳生くんは珍しく携帯をいじっていた。
「なあ、先輩って彼氏いんの?」 「!?」
柳生くんに見とれていたせいで左側に先ほどの男の子がいる事に気付かず声をかけられ心臓がバクバクしている。
「いな、いな、いないよ。」 「マジッスか!?」 うっしゃあ、とガッツポーズをとる彼は可愛らしくて笑みがこぼれる。
「赤也、お前うぜぇ。」 「酷いッスよ!丸井先輩。」
右から丸井くんが呆れながらそう言えば男の子は大袈裟にリアクションした。
「そもそも名前に彼氏いようがいまいが、赤也に関係ないだろぃ。」 「名字は赤也の事を知っているか怪しいしな。」
男の子のオデコに丸井くんはデコピンをした。痛そうな男の子を尻目に成績上位の柳くんが一言。
(…ごめんなさい。 怪しいも何も、知りません。)
そんな思いが顔にでも出ていたのか男の子はかなり落ち込んだように肩を落とした。
「本当に赤也の事、知らねぇの?」 「うん。 見た事ある気もするけど…分からないですね、はい。」
「うー、先輩達の事は知ってるくせに…。 まあ良いや。俺、切原 赤也ッス! 赤也って呼んで下さい。」
曇った顔は にぱっとした笑顔に変わった。
コロコロと良く表情が変わる子だと印象を受けた。
「あ…赤也、くん? えっと名字 名前です。 珍しい名前だね、よろしくね。」
その後は他愛のない話をして教室に戻れば友人たちからの尋問をうけたのは言うまでもない
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