07
結局あの後三人で仲良くケーキバイキングに行った。
どのケーキも美味しくて、会計三人分をブン太が全て払ったのは申し訳なかった…。
赤也くんの家は反対だったらしくその場で赤也くんとは別れて帰りはブン太に送ってもらった。 私には過ぎた幼なじみだとつくづく思う。
「あ!名前先輩!!! おはようございます!!!!!!」 「赤也くん?おはよう。」
朝はいつもブン太が部活の朝練があるから一人で登校している。 さすがにブン太も朝5時からなる登校には無理はさせれないらしい。
私が登校するのは朝練が終わる9時過ぎなのでさすがに長時間毎日一人で学校にはいたくない。
まあ、登校すればかなりの確率で部活終わりのブン太と出会すのだが… 今日は赤也くんとバッタリ会ってしまった、というか挨拶された。
「朝は丸井先輩と一緒じゃ無いんスね?」 「うん、朝かなり早いし。」
正直、学校の時間は赤也くんと話したくない。 ゙ブン太の幼なじみ゙という位置が周りの目を嫉妬の色に染めているのを知っている。
現に私は今まで友達が出来たことがないのだから。
…まぁ、私自身にも問題があるのだろうが。
ブン太は自分が原因で虐めになる可能性があるのを知っているから学校ではあまり話かけたりしない。 そういう気配りがブン太には出来るから安心して幼なじみの立場に甘えられる。 でも、きっと赤也くんは気付いていない。
朝の登校ラッシュ前とは言え今も二年生の女子は勿論、私の学年や一年生も怒りを映した目を私に向けていることを…。
「もしかして、先輩っていつも一人で登校してるんスか!?」
私の歩調に合わせて隣に並んで歩いている赤也くん。 意外にも身長は私より大分あるみたいだ。
「ん〜…、ブン太が部活ない日とか私が日直の時は一緒に登校してるよ?」 私の言葉を聞いた赤也くんがまさに゙パアッ゙と言う効果音が付きそうな輝く目をして私を見る。
「じゃあ、じゃあ、俺と一緒に登校しませんか!?」 「え?」
聞き間違えたのかと思った。
彼は何を言っているのだろうかの? 朝練が毎日のようにあるのはブン太から聞いている。
それは学年もレギュラーや平部員とか一切関係ないことも。
「何言ってるの、赤也くんはレギュラーじゃない。 毎日朝練があるでしょう?」 「大丈夫ッス!俺、遅刻の常習犯なんで!」
赤也くんはニパッと笑みを絶やさない。 …何が大丈夫かが全くわからない。
遅刻の常習犯って駄目じゃないのか、うちのテニス部は競争率が激しいのに大丈夫なのかな?
「赤也くん、そんな問題じゃないでしょう? 遅刻してもちゃんと部活に出ないと… それに赤也くんって家逆方向でしょう?」
いかにも困った顏で言ってるのに赤也くんはお構い無しで一緒に登校しましょう!と言ってくる。 若さって素晴らしいと思った。 のろりくらりとかわせる相手ではないみたい。 むしろ承諾するまで言い続ける気がする…。
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