お題 | ナノ
私の彼氏は学校1有名な、あの跡部景吾だったりする。
中学1年の時、無理やりに近い形で付き合う事になった私たちだったけれど
私は強引で自信家な景吾に徐々に惹かれて、現在ベタぼれ状態にある。
中学3年生の部活引退後の冬にも関わらず私たちはエスカレーター式の学校と言うぬるま湯に浸かり(受験と言う受験の必要がないから)、まったりとした日々を過ごしていた。
…はずだった。
気が緩みまくってる私に担任の先生が
「お前はそのまま進学かも知れないが、跡部は留学なんだろ?
ぐうたらして邪魔はすんなよー」
なんて言った瞬間まではそう思ってた。
留学なんて話知らないし、良く良く思えばそのまま進学だと思い込んでたから進路の話なんてした事がなかった事に気付いた。
「うそつき。」
気付いたら景吾にそう吐き捨てている自分がいた。
景吾は心底意味が分からないようで「は?」と呟くように発した。
そんな彼に納得出来ずに失言をした。
「……別れる。」
と。当たり前だけど
景吾は意味が分からない、と理由を尋ねて来た。
最初は言わなかった私だけど、執拗に聞かれた事と景吾の眼力によって渋々口を開いた。
「留学……するなんて、聞いてない。」
言葉にした"それ"はなんだが幼稚な気がした。
景吾の様子を見ればなんだが安堵したように、先ほどの強張った表情から柔らかい表情へと変わっていた。
「その事については悪かった。
…隠していたつもりはねえ。
お前なら全て受け入れて待ってくれると思って……って言い訳だな…。
正直に言えば、お前が…梅が留学の話聞いた時の反応が怖かったんだ。」
俯き加減に自傷的な笑いを零して早口に喋っていた彼はそこで一旦区切り、 間を置いてからこちらを真っ直ぐに見て来た。
「俺は親の跡を継ぐ為の勉学に留学する。
これは決定事項だ。
だから俺が帰国するまで待ってろ。
帰国次第お前を嫁に貰う。」
「っ。……約束出来る?破らない?」
「当たり前だろ。」
そう言うや否や、彼の唇により口をふさがれた。
約束をする時のあなたは照れていたのか、頬がほんのり赤くなっていて
キスをする時のあなたはいつもより甘く優しかった。
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