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Christmas/光








「ね、来週の木曜日って
やっぱ部活ってあるよね?」

「多分あるんちゃいますか?
なんや、来週から短縮授業やさかいみっちりするらしっスわ。」





期待なんか最初からしてなかった。
でも、少しの希望にかけてみた。



やっぱり駄目だったけど…
むしろ光はその日に興味すらない様子。







「はあ…」と大袈裟にため息をついてみた。

でも光は飄々と音楽雑誌を見てこれまた気づいていない。





「…もぅ、良いもん。
謙也と過ごすんだから…。」

私はお隣の住人で従兄弟で幼なじみの名前を静かに呟いた。

光と付き合う以前はどんな行事も毎年謙也の家族と過ごしていた。




今年、初めて彼氏と過ごせると思ったのに…。





「あかん!なんで先輩と過ごすねん、俺とおれや。」

今まで無反応だったのに物凄い勢いで顔をあげた。


「だって部活終わるの19時まわるじゃん。
そんな時間に出歩けないし。」



何を言ってるの?
と言う視線を向けてみた。


「は?
そんなんサボるに決まってますやん。」

怪訝な表情で当たり前に言った。
逆に私が怪訝な表情を浮かべたい気分。





「な、なんで?」

「やって先輩と過ごす初めての行事やん。
部活より先輩とのクリスマスとりますわ。」







あ、クリスマスってわかってたんだ。

冷静に考えれば顔が赤くなった。





「まあ、なんで謙也先輩の名前が出て来たんかは謎ですけど。」

「…え?」








この後は長きにわたりくどくどと説教された。







無事クリスマスは一緒に楽しく過ごせたけど、

家に帰ったら今度は謙也にくどくどと説教された。














20091219


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