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ウソツキな君

とある日に私は「バスケ部の彼氏が今度試合なんだー。」と言う友人に付き添って試合の応援に来ていた。











「あんた、サイテーね。」

それが何故に対戦相手の一人の男にビンタをくらわす事になったのか…後悔しても後の祭りでしょうか。





私は暴力をふるうような人間ではない。

幼少期を除けばむしろ今回が初めてなはず。






言い訳をさせて貰えるのだとしたら、させて頂きたい。

友人の彼氏が対戦相手の一人、花宮真なる人物に巧妙なラフプレー(幸い軽傷)をされたのだから、私の暴力(ビンタ)は見逃して下さい。






ビンタされた花宮真はと言うと、突然の出来事からか暫し呆気に取られていたが、何かを悟ったように笑った。

「ふはっ。

サイテー?
俺はルールにのっとっただーけ。
その証拠に審判は試合を止めなかっただろ?」
「なっ…」
「つーか、お前がやってくれたコレ、問題ありまくりじゃねえの?」
「うっ、」

もちろん理解している。
既に試合は終わっている以上はこんな抗議、意味がないんだって。
相手を叩いたらこっちの立場が悪くなるって。

ちゃんと分かっている…頭では。












「ひ、開き直らないでよね。
バレる、バレない、の問題じゃなくて、試合中の出来事は人としてやっちゃいけないって話を、」
「分かった分かった。」

開き直ったのはまさに自分だったが、花宮真はそれに触れずににこやかに笑った。








「はっきり食ってかかってきた女はお前が初めてだ。惚れた。

今度からラフプレーはしない。」

今までの態度から一変した態度に呆気に取られてなんとか声を出した。



「え、本当?」
「んなわけねぇだろ、バァカ。

もっと勉強してから出直せ。」
「なっ、なななな」

期待した心を一瞬にして叩きつけ、花宮真は私の耳を甘噛みしてから嘲笑いながら去って行った。

















(馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!)

不覚にもときめいた自分を責めた。



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