「んっ、」
「良いから声出せって。」
「だ、いじょーぶなの?」
「へーきへーき」
また、だよ。
いつもいつも、飽きもせずに、厳しい練習の合間に良く情事に持ち込めるもんだ。
彼女である私は祥吾言われるがままにマネージャーとなり日夜働いていると言うのに。
と、色んな意味を込めてある意味で尊敬する。
あんなに惹かれた彼。
あんなに大好きだった気持ちも今や冷え切っている。
なのに未だに頬を伝う雫は、枯れることもなく留まることもなく潤い、零れ、溢れる。
それを見て冷え切ったと思っていたのに祥吾をまだ好きな気持ちはあるのだと思い知る。
このままじゃダメだと思って、その日のうちに親を説得して数日後に転校した。
無事転校出来たにも関わらず、祥吾…もといキセキの世代の情報は良く入る。
一番興味をそそったのは、祥吾がレギュラーの座を奪われたどころか、バスケ部からも追い出されたと知ったこと。
あの祥吾が負けた事にもびっくりだけど、バスケ部から追い出されたとは何事なのかと気にしている自分に嫌気がさす。
早く早く、忘れなきゃって思うほど
あの最低男の顔が浮かぶ。
あの男は、祥吾は、私なんて眼中にないのにね。