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君は恋人

私の三年越しの恋人である岳人はバスケバカな幼なじみと仲がよい事を以前から快く思っていなかったらしい。

さらに、バスケバカな幼なじみと祭りに行った事をドコからか聞き、大変不愉快な思いをしたらしい。















"らしい"と言うのは、その気持ちを本人から聞いた訳ではないから。

そう言う話を聞かされたのは、岳人の部活であるテニス部のマネージャー兼岳人の幼なじみからだったから。


わざわざ私の学校にまで来て話があると言われ、何事かと思えばそんな話だった。












挙げ句、あなたは岳人をバカにし過ぎだとビンタまでされてしまった。

かなり痛かったけど、言い返す事は出来なかった。




















「すげぇ不機嫌。」
「…あのさ、」
「まあ俺も何だけど。」

そんなビンタをくらわされた翌日が久しぶりのデートと来たものだから笑える。

待ち合わせ場所で合流してもにこやかになんて出来なかった。

今まで結構我慢してた私としては、さすがに文句の一つでも言ってやろうと口を開いたのに、まさかの俺も発言に眉をひそめた。


「麗子はさー。
その…俺がさ、ヤキモチとか妬かないとか思ってたりする?」

言いにくいのか少し濁しながら聞かれた。
妬く妬かないの問題ではなく相手が幼なじみだと理解して欲しい。

自分だって幼なじみの子とかなり親しげなのだから。











「…逆に聞きたい。
しょっちゅう幼なじみの子と出掛けられる私の気持ちはどうでも良いの?
幼なじみの子に文句言われて、叩かれた私の気持ちは?」
「たた…!?」

更にムカついた私はまくしたてて聞いた。
当然初耳な彼は驚いた顔をしていたからもう一度
「昨日うちの学校に来て、岳人をバカにしないでってビンタされた。」
と言ってやった。




















「う、…それ、は…わりぃ。
もう必要以上に接しない。

だから、って言っちゃおかしいけど…「分かった。」」
「え?」

顔に凄い焦りが出て言いたい事が分かった私は遮って同意した。
と、言うかそれが目的だったわけ。
















「お互いに異性の幼なじみは親しくしない、ね。」
「お、おう!」

にこりと笑ってそう言えば、岳人も慌てて笑顔で頷いた。


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