先輩への第一印象は失礼極まりない人、やった。
「蔵の言ってた通りやな、あんたは笑わへんのやな。」
なんて言われたもんやから当たり前なんやけど。
二度目に会った時の印象は意外に可愛い。
「財前光!
あんたを四天王寺テニス部に勧誘するわ。
ていうか、強制なんやけどな。
不協和音?上等やんか。」
なんて、ふんわり笑った顔に不覚にもときめいた。
それから知っていく先輩はホンマに様々な表情を次々作って今や印象は良く、分からん。
そんな麗子先輩は他校に彼氏がおるらしい。
ろくでもない男やと先輩らから聞いた。
そんなん聞いてなくても、先輩の顔見れば分かるねんけど。
酷く痣だらけの顔。
すぐに殴られたと分かる顔。
最近学校を休んでて不思議になって電話したら異様やったから押しかけたらこれや。
「なんスか、それ」
声が震える。
そりゃそうやろ、それくらい痣が酷いねんから。
先輩は今まで見た事がない申し訳なさそうな表情でただ笑っとる。
なんとも言えん気持ちが心を支配した。