ぬぷぬぷと音をたてながら彼の指がわたしの中を弄ぶ。的確なところを掠りながら、何度も、何度も、辱しめるのだ。その度にわたしの口からはいつも選手たちにかけるようなちゃんとしたものではなく、甘ったるい母音しか出てこなくなる。彼はそれを聞いて、にやりと笑った。




「は、ァアっ、そ…すいッ、ソコっ…も、っと…!」
「ここか?」
「や…ッ!ぁああっ!」





キモチイイところを避けて、撫でる。充血した突起に少しだけ指が当たるように動かしているのはわざとなのだろうか。焦れて焦れて体が火照って仕方がない。じわりと涙が浮かんだ目で総帥を見つめると、今までわたしを蹂躙していた細い指が抜かれた。てらてらと艶かしく光る液体を舐めとり、彼はまたにやりと口元を歪めた。




「物欲しそうだな」
「そう、すい…っ」
「どうして欲しいんだ?うん?」




彼は濡れた手でわたしの頬を撫でて、そのままゆっくりとわたしの口に指を挿した。ちろちろと舌を使って舐めながら、自ら足を少しだけ開く。




「総帥のが、欲しいです…」
「わたしの、何がだ?」
「総帥の…っ」





わたしは恥ずかしいのを必死に堪えて、起き上がって彼の膨れたズボンのチャックを開けた。ふるり、と飛び出したそれをぱくりとくわえ、ジュルジュルと音をたてて吸う。少しだけ、総帥が息を飲んだのがわかった。



「ん、ふ…ぅっ、んぶ、はふ、っ」
「……もう、いい…ッ」





わたしの肩を押して、体をベッドへ沈める。その上から覆い被さり、すぐに挿入された。待ちに待った快感に全身がゾクゾクと震える。口の端から唾液が垂れてるのを拭う理性もなかった。




「あっあ、あ、ああッ、そ、すいッ!きもちっい…!」
「ふ、実にだらしない顔だな」




そう言って、総帥はわたしの頬を親指で丁寧に撫でた。サングラスで隠されたその瞳も、この指のように優しいのだろうか。胸がきゅうん、と締め付けらるような感じがした。





「あっ、も…イくっ!ひぃンっ!ンぁああっ!んんッ、ぁ、ふぁあっぁあああ!」
「………っ」





中の良いところを疲れて、擦られて、弄られて。一瞬、わたしの体は自由が利かなくなった。総帥の肩が微かに跳ねて、動きが止まる。ゆっくりと抜かれると、少し感じてしまったけれど、とても寂しい気持ちになった。





「そう、すい…?」
「わたしは、悪であるべきなのだ」





それから彼は、酷く辛そうな表情のまま、わたしに甘い甘いキスをした。




「なぜ、お前を愛してしまったんだろうな。四季」



100907