「ふっぁ、あ、あぁんッ、ふ…ぶき、ぃ…!」
「ん、っもう、イッても、いいよ…?」
「ん、ぁ…は、ぁああっ、も…ッ、やぁあぁぁああッ!」




体の奥から何かが湧きあがるような、そんな感覚に襲われた。足を伸ばして背を反らせて、体を快楽に委ねる。波打つように吹雪のソレを締め付ければ、彼も達したのだろう。数回ゆっくりと腰を動かして、止まった。


吹雪と体を重ねるのは初めてではない。しかし、世界レベルの選手ともなるとほとんどの時間が練習に消えていく。わたしはサポートする身、選手のことを一番に考えなければならない。練習した体を休めてほしい思いもあり、ここのところセックスは結構な時間していなかった。わたしは寂しがり屋な吹雪と少しでも長く一緒の時間を共有したいので、マッサージをしたり、フォーメーションのことや他のチームのことなどを話したり、あまり恋人らしいことをしなかった。しかしそれが吹雪にとっては不服だったらしい。唇を重ねたり、セックスしたり、愛してると示し合ったり、彼は毎日でもそういうことをしたかったのだという。



「だって練習で疲れてるし、無理させたくないし…」
「練習で疲れてるのと君は別だよ。むしろ君不足で練習に力が入らなくなるかも…」




ふらりと力を抜いて隣のわたしに寄りかかる吹雪。そして耳元で「今夜は覚悟しててね?」と囁いた。そして冒頭に至る。



「吹雪…元気だね…。あんなに走り回ったあとなのに」
「だから、サッカーを頑張るために君を補給するんだよ」
「わたしはスポーツドリンクか」
「似たようなものだよ」



君を摂取しないと、死んじゃいそうだもの。そう言って吹雪はわたしの汗の滲んだ額にキスをした。そのまま瞼や鼻、頬、唇に降りてくる。ちゅっちゅ、と触れているだけの優しいキス。気持ちよくてもどかしくて、わたしは吹雪の背中に腕をまわした。



「そんなに積極的だと、僕もっと君が欲しくなっちゃうよ」



いい?と尋ねながらも、さっきまでキスをしていた唇はあっという間に胸元へ。鎖骨に吸いつかれて、うっかり声を漏らしてしまった。



「あは、可愛い」




夜はまだまだ長い。




100618