MEMO


ある日、夜ふと目覚めたらなんだか凄く肌寒い。
窓辺に目をやってみると、窓が開いていて1つのシルエットがあった。ビラビラ靡いてるのは…マント?
なんだかよく分からないそれは、私が理解するより先にこちらに近付いてきて、私の首筋に―――

頭の鈍痛と共に目が覚めた。

「(これはいわゆる、夢オチ・・?)」

その日は何故だか目覚めがすっごく悪くて、だけど熱があるわけでもなくて。
それでも学校は休みたくないから、結局だるいまま登校する。その時、ふと前を歩くクラスのある女子に目を奪われた。

○○さん。肌は白くて凄く美人で可愛い。人当たりもよくていつもにこにこしている。いわゆる完璧。けれど自分から話しかけることは殆どないみたいで、
一定の人とベタベタしてるようなのは見たことがない。私自身もちょっと話したことがあるくらいで、名前もよくは知らない。
だから普段目にもくれないんだけど、その時だけは…何故かその子に釘付けになってしまった。

「みーきぃ、どうしたん?今日なんかおかしいよ〜?」
「えっ」

ボーッとその子を見つめてたら一緒に歩いてた友達につつかれてしまった。

「どうした!!好きな子にでも振られたか!!」
「えっ、ぇぇぇいやあやや なんでもないよっ!!ていうか振られてないし!!」
「ふぅ〜ん・・ぷっ(分かりやす)」
「なんだよーー!!」

なんか勘違いされてるような。まぁ、誤魔化せたならいいか。

体育の時間、私が大好きな時間。今学期は球技選択で、私は屋外競技のサッカーを選んだ。外なら思いっきり暴れられるし!
しかも今日はこれはまたいい真夏日で。暑いけどこの綺麗な青空が清清しくて気持ちいいくらい。今日もやったるぜ!と勢いよく外に飛び出した。
ところが・・・日差しに当たった瞬間、鈍器で頭をぶん殴られたかのような眩暈。 なんだこれは、なんなんだこれは。
我慢してグラウンドまで行ったけれどやっぱりどうにもならなくて、見かねた友達がが係りの人に保健室に連れてってもらうように頼んでくれた。
ボーっとした頭で保健係って誰だったかなと考えていたら朝のあの肌の白いあの子が。うっわマジか。

「みきさん、立てる・・?」
「んぅ・・う・・ごめん、ちょっと・・・無理・・かも」

ふらふらで立てない私を彼女はおんぶして運んでくれた。細いのに意外と力持ちだなぁ。
その道中ゆっくりと揺れるその背中でふと、彼女の首を見ると真っ白で綺麗なうなじが見えた。
綺麗、…美味しそう―――って私は何を考えてるんだ!!!思考までおかしくなってるよ!!でも・・ちょっとだけなら・・・

ぺろっ

「っ・・!!?」ビクッ
「・・・はっ」

やった。やってしまった。今日の私は本当にどうかしている。

「み みきさん・・今・・」
「はっ・・あいや・・!!ご ごめん!!わわ私ったら何を・・!!」
「ま、まぁいいけど・・」

今すぐ爆発したい。


無事保健室に着いて、彼女は私をベッドに寝せてくれた。

「無理しちゃだめだよ、みきさん」
「う、うん・・ありがと」

やっぱり優しい人だなぁ、○○さん。きっと誰にでもこうなんだろうな・・。そう思ったら何故だかちょっぴりモヤモヤした。

「それじゃ、また何かあったら声掛けてくれればいいから・・」

何故だかよく分からないけど、もっとあの子に近付きたい―――

「あっ、ねぇ!名前!」
「…?」
「あの、…下の名前!何て言うの?○○さんの。私名字しか知らなくて」
「ぁ、私の…名前…えっと…―――××」

××―――。そっか、××っていうのか。・・・よし。

「××・・○○さん!今度から名前で呼んでいいかな・・!」
「え・・?う うん」
「やった!××さん・・へへ」ニコッ
「・・!じゃ、じゃぁ、私行くね!」
「うん、・・」

彼女はそそくさとこの場を去ってしまった。
あちゃー、失敗したかな。いけるかなと思ったのに。

「(ていうか、いけるってなんだ、私はあの子を落とそうとしてるのか・・!?いやいやいやいや私ったらなにを!!!)」ブンブン

・・というか、なんで仲良くなりたいなんて思ったんだろ。今まで本当にどうでもよかったのに。

 「・・・」スタスタ

美人で、可愛くて、優しい子―――あと真っ白で綺麗なうなじ。

 「(名前で呼ばれた)」「(初めて・・名前で・・・)」

何故だかあの首筋に無性にかぶり付きたくなった。

ピタ

「みきさん…か」


私ったら一体―――

「(深く考えちゃ駄目だ)」
「(深く考えちゃ…深く―――)」zzz...





メモなんでここで一旦区切り。
最初の方はついったに上げたのそのままなので会話文少なめ。ある日ヴァンパイアになってしまった女の子のお話です。
絵はメモの前に描いたやつなので全然吸血鬼ぽくないですね。右がみきさん?かな。仮。
本人はヴァンパイアになってしまったことにはまだ気付いてません。
ウィキペディアによると、男性は異性を、女性吸血鬼は同性を好んで狙うらしいです。
つまり百合的展開になるのは公式なのですね〜〜。燃えますね〜〜。
はぁ、寝れない。
本当に寝れない。

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