「黄瀬ー?」
今はテスト期間のため部活がなく、キセキのメンバーで俺の家に集合して勉強会。なので青峰っちは昨日からうちにお泊まりしてる。
「何してんだ?」
その言葉とともに後ろから抱き締めてくれるならよかったのに乗り掛かられた。
「重いっス」
「金平糖?」
「もう。そうっスよー青峰っちも食べるっスか?」
「なんでそんなもん食ってんだよ」
青峰っちの唇に押し付けるとぺろっと指ごと舐められる。
「ちょっと!」
「あー食べろって寄越したんじゃねぇのかよ」
「そうだけど…」
「で、なんで金平糖?」
テーブルの上に転がるそれらを口に含みながら再度、先ほどの問いを繰り返す。
「皆が来るからプレゼントの仕分けしてたんスよー」
「へぇ」
「それで綺麗だったから出してみたんス」
「なんでこっちに青と黄色のだけまとめてるんだよ」
「あ、食べちゃダメっスよ!!」
「あ゛?なんでだよ?」
「それは…」
彩り豊かなそれらを見ていたら、自分と彼の色だけ取り出していた。あとから小瓶みたいなのモノに入れて飾ろうと思っていた。
「あ!」
それなのに青峰の口に黄色の金平糖が含まれてしまった。
「なんだよ?」
「もう!青峰っちのバカ!!」
「あ゛」
「せっかく俺とあんたの色だから一緒に飾ろうと思ったのに!」
「あーはいはい悪かった…って泣くなよ」
「泣いてないっう」
俺の手元には分けていた青色だけが残ってしまい、哀しみが込み上げてきた。
「悪かったって」
よしよしと今度は抱き締めてくれた。
「また買ってやるって…それに黄色は俺のモンだろ?」
「だからって…うー青峰っち〜」
「よしよし」
「…ぐす…犬じゃないっス」
口を尖らせて青峰の顔を見ると、その口に金平糖を口移ししてきた。
「すみません。もういいですか?バカップル」
突然聞こえたチームメイトの声にびっくりしておでこをぶつけた。
「テツ!!」
「黒子っち!!」
二人とも真っ赤な顔をして声の主を見る。
「「い、いつから!?」」
恐る恐る聞くと、黒い笑みを浮かべ青筋が立っている黒子が見えた。
「青峰君が『金平糖?』って聞いた辺りから。ちゃんと声かけましたよ」
「ほぼ初めっからじゃないッスか!!」
「ったく。もっと自己主張しろよ」
体は離れてしまったが、手は黒子っちに見えないよう握られたまま。
「俺、この青食べるっス!!黒子っちも食べるっスか?」
「大丈夫です。甘いのはバカップルだけで十分ですよ」