鬼舞辻無惨が懐古するお話なんですけど、一回壊したものを直したり、時間の変化によってなじんでくる違和感に無惨自身解釈違いを起こしたりしています。
復元は所詮復元でしかない。
彼女がいた思い出を一度壊してしまった無惨はもう一度かき集めて精いっぱい彼女の生きた後を残そうとしました。
月明かりの中でみた玲の姿は幻覚なのかもわかりませんし、幻覚じゃないかもしれません。幻覚であってもなくても無惨の心の中には玲は未だに居ます。

そして鬼狩りに敗れたあとの彼の様子めっちゃ書きたかったんですよね、このラストは元から考えていたものでした。なんなら現パロの前日譚のようなものです。
気ままに待つつもりだったのに、無惨来るの早くない??って思いながら玲は無惨を迎えに行きました。もちろん玲は無惨には来てほしくなかった。永遠に自分が暗闇に漂ってもいい、自分が暗闇に漂うことは無惨が生きている証拠でしたので。
そんな玲は無惨が来るまでの十数年もの間暗闇の中で一人で待ち続けてました。彼女なりの無惨の愛し方なのかもしれませんね。
雨の中玲が無惨に声をかけるシーンは無惨と玲が初めて出会った場面を想定していますし、二人で暗闇を歩いている中で多分「出会った時とまるで似たような再会だったね」と笑い合ってます。
雨に禊の意味合いを持たせるかはご自由にどうぞ。私も悩んでいます。

二度と別れることもなくなったので、地獄に行っても二人は幸せだと思います。