短編(APH) | ナノ

怠惰と情熱。つまらない男になったものねと3年ぶりに会った女に煙を浴びせかけられた。甘い匂いを撒き散らしながら私は変わったわよと、懐かしい女優の名を冠したバックを振り回してみせる彼女の眼球は真っ赤で、吐き捨てた煙草についたルージュも真っ赤。
赤ばかり、君こそつまらない女になったもんだと鏡みたいに磨かれた卸したての革靴で地面を蹴った。硬い赤焼き煉瓦に黒は似合わないことを知った。
悲観と皮肉。出会ったのは3年前で別れたのも3年前で再会は3年後。また別れるとしたらいつになるだろう。甘い煙を吸い込みながら考える先は朧気で何も見えやしなかった。願わくば3日間でないことを祈る。

甘い煙
(3年前には落ちていたさ)




2010-04-26



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