自分は奇跡を信じないと隣りに座る男は笑った。
「奇跡とは偶然の連発なのでござろう?」
「まぁ身も蓋もないけどそう言うことかもね」
「なら、今日、誰にも邪魔されずにお主と二人でこうして話をしていることも偶然の連発だと某は思うわけで」
「うん」
「いつもいつも独眼流や佐助に邪魔されていたのに今日はとんと入らなくて」
「うん」
「それは奇跡というよりむしろ」
一つの運命だと思うのでござる。
「……どんな?」
「それはその、何というか」
「早く言わないと、邪魔が入るよ」
「ぐぬぬ、」
どうしようもなく赤くなる男が愛しくて愛しくてたまらなくなった。
密猟されてみる
(この世は早い者勝ちなもんで)
(悪いね、お二人さん)
2008/01/13