「暑いねぇ」
「私とろけそう」
「あはは。とろけるわけないじゃん」
「分かんないよー。あまりの熱に細胞膜が融解して組織液とか核とか諸々出て来てえらいことになるかも」
「……生々しいこと言わないでよ」
暑い、暑い日。
太陽はとうに半分沈んでしまって、地球を赤く染め上げているころ。
「あーもう日ぃ沈んだのに暑いよね本当!」
「あー俺様もとろけるー」
「今とろけたら私と一緒になっちゃうよ」
「それもいいかも」
「ロマンチックにみえて実はグロいよね」
「アハハ。じゃあ手、離す?」
「……や、それはそれ。これはこれだよ」
「やーん素直じゃないねぇ」
「うるさいよ」
隣りのオレンジ頭が太陽に反射して、まるで彼が溶けだしてるみたいで。
何か掴んでいないと少し怖かったんだ。
「あ、そうだ。アイス買わない?」
「財布忘れたー。佐助、おごって」
「えー。パピコで我慢してよー?」
「やった!」
ゆうやけ、こやけ
(またあした!)
2008/02/15