境征参加 | ナノ




「年は?」

「18です」

「お。俺より一個下か」

「え、伊達さん19? その顔で19!?」

「しめんぞコラ」

「や、やだな。褒め言葉ですよ」

「ふぅん、アンタその胸で18か」

「この世の中には触れてはいけないこともあります伊達さん。それは女性の年齢と胸の大きさです」


政宗の馬に乗せられてから早5分。
名前は疲れ切っていた。

何せ先程胃にものすごい負荷を掛けられたばかりだ。しかも、またしても馬と人間に挟まれた状態で走っている。

着物を着ているため鞍に跨ることができないので横向きで乗っているが、それにしても操縦士である政宗の顔が近い。

彼が言葉を発するたび耳元でささやかれているような気分になる。

そのせいで顔を見るのもままならない。時折横目でちらちら見るくらいで、後は俯いて話した。

何せ無駄に顔が整っているのだ。
免疫のない彼女は平静を保ちつつ内心悲鳴を上げていた。

しかもだ。


(片倉さんまた見てるよぉぉぉ)


政宗の斜め後ろを走る片倉小十郎からのちょっと鋭い視線にも晒されていた。

彼は主のことを守ろうと真剣なのだろう。名前もそれは理解していた。

しかし、ものすごく居心地が悪い。
なんだかまた酔いが悪化してきたように思う。

それでも質問は続いていく。




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