境征参加 | ナノ



「しっかし……本当にどうしよう」


事後処理の話も済み、後は二人を止める方法だけなのだが。


「幸村の前に団子を落としてみるってのは?」

「だからダメだって。そんな、馬じゃないんだから」

「じゃあ武田殿に頼んで真田を引き剥がしてもらうというのは」

「あ、片倉さん良い考えですね! すごい!」

「……」

「右目の旦那、何照れてんの」

「佐助、信玄様呼んできて!」

「実はさ、今大将は用事でちょっと自分の館まで帰ってんだよねー」

「え、何処そこ。私行ったことないんだけど」

「頼めば連れてってくれんじゃない?」

「よっしゃ! 帰ってきたら私さり気なく尋ねてみる!」

「いよいよ名前ちゃんも旦那化してきてるね」

「目標は殴りあうことです」

「いいの名前ちゃん、若いのに人生放棄して……」

「どういう意味それ」

「いや言葉通りあの世逝きますよって意味」

「……話脱線してきてるぞ」


小十郎の呟いた言葉に佐助と名前はハッと我に返った。

今はあの二人をどうやって止めるかだ。集中しなければ。

今のところ、五分五分といったところで勝敗はまだ決まっていない。
こんな長い間戦っているのだから相当疲労しているのかと思いきや、あろうことか少し息が乱れているくらいだ。

このままだと、小十郎の言ったとおり城門まで破壊されかねない。
佐助にもそれが分かったのか無駄口を叩かなくなった。分かりやすい。



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