
堅忍不抜

以前にパラッツィが手に入れた情報とは、バレンティナがアークライトに向けて軍隊の派遣を決定したという内容だった。
バレンティナ大公は、国力が著しく低下しているアークライトの回復の為に助力、未だ眠る膨大な地下資源の協同発掘、及び販売ルートの確保に向けて自国の技術や経路の提供を表明。
更に、紛争多発地域には治安維持を目的とした駐留軍の配置を正式に発表した。
アークライト共和国は、キャンベル王国の同盟国である。
形式的には同盟国だが、その力関係は決して対等なものではない。発展途上にあるアークライトは、キャンベルに完全に支配されていた。
しかしそれはアークライトに限った事ではなく他の同盟国も全てが同様で、世界はそれを黙認していた。
この一件に関して、バレンティナ大公からはキャンベル聖王には許可を得る為の外交員の派遣は疎か、一言の挨拶すら無い。
その様な状態でのアークライトへの駐留とはつまり、バレンティナからキャンベルに向けての事実上の宣戦布告であると表現しても過言ではないだろう。
アークライト大統領は、声明を発表。
その内容は、バレンティナ公国への謝辞と、キャンベル王国の批判であった。
世界最大量の石油や天然ガスを抱えるアークライトと軍事国家である好戦的なバレンティナの共闘は今後、キャンベルに驚異を与える存在に充分に成り得るであろう。
プエルトではその独特な国柄からか、他国が他国に干渉しようとも国内で大した報道はなされなかった。
━━問題は、この後だ。
アンバーは新聞を読みながら、思案を巡らせる。
━━アークライトに駐留するのに、プエルトに武器を運び入れる必要はないはずだ。恐らく、バレンティナの本当の目的は…。
「そろそろ、潮時だな。」
彼はそう呟くと、新聞を畳んだ。
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W.A