「それじゃあ早速、俺の隊は新規で編制させてもらうよ。まず、リューク。君は第二隊隊長を解任、隊は解散だ。」

「断る。」






今度は全ての視線が、一斉にリュユージュに集中する。






今回の軍議は長丁場になりそうだ、と、バルヒェットは睡眠不足を覚悟した。

「いいかい?リューク。復職したからには、俺は君の上官なんだよ。上官の命令は絶対だ。それを拒否、しかも即答とは。」

ヘルガヒルデは溜息を吐きながら左右に首を振ると、足を組み直した。

若干、気色ばんでいるであろう彼女のその態度に、詮方なく静観しているバルヒェットを筆頭に周囲は気を揉んでいる様子だ。

「まあ何て言うか、意外だな。君、気に入って隊長やってたんだ?」

「いや。全く。」

リュユージュは姿勢を正してヘルガヒルデの方に向き直ると、視線を合わせた。

「僕が隊長を解任されるのは構わない。しかし、第二隊の解散だけは了承出来ません。隊長代理を立てさせて頂きたい。」

「何故だ?そうは言っても、君以外に代表を張れる奴なんか居ないだろ。」

現在の副隊長を務めているボルフガングはこの言葉を聞いて不愉快そうに眉を顰めたが、ヘルガヒルデもリュユージュも共に彼の存在を意にも介していない様子だ。

リュユージュは膝の上で拳を強く握った。其処に、一つの決意を秘めて。






「第二隊が解散してしまったら、居場所がなくなってしまうので。」






彼は椅子からゆっくりと立ち上がると、ぐるりと全員を眺め回した。

そして胸を張り、堂々と答えた。






「僕は、彼の━━…、レオンの居場所を残しておきたいのです。」

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W.A


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