※風丸に姉がいる



「う……わあ……」



オレはつい、言葉をなくした。





昨年の11月頃から一緒に初詣に行こうと言っていたのだが、まさか、こんな。


「……に、似合わないだろ」



風丸は唇を尖らせた。
聞くと、お姉さんがたまたま帰ってきてて、オレと初詣に行くことを知ってこうしたらしい。
……風丸が、女物の着物を身に纏って家を出てきた。


顔を赤いままに視線を反らす風丸の晴れた空のような髪は普段の成りを潜め、天辺で綺麗に纏められていた。風丸は乗り気じゃなかっただろうから、以前凝り性すぎると弟にいわれていた風丸のお姉さんがやったんだと思う。


「オレが女の子の格好したって、かわいくないし」
「かわいいぞ、風丸」



女物ではあるとわかるものの、シンプルな晴れ着に身を包んだ風丸はオレだけの、そして一年に一度だけのもの。その事実に胸がぎゅうってなる。



「すっごくかわいい」



風丸は寒さによって流れの滞っていた血液を急激に高速移動させる。まだ新年は明けたばかり。



「あけましておめでとう、円堂」
「ああ! 今年もよろしくな、一郎太!」



円堂のひとことで、どうしてここまで温まり、熱くなれるのか。
風丸にはまだ、わからなかった。




「転ぶなよ」



そういって差し出されたマメやタコだらけのキーパーの手。
自分より遥かに大きなそれに自分のも重ねて、お互いに指を絡め合った。



朝にもまだ早い。
しかし風丸も円堂も、最早寒さなど感じていなかった。






20110102
切りが難しかった。
しかし円風は公式だろ。
ついでに風丸姉は円堂と弟が恋仲だって知ってる。着物は自分のを貸した姉とか。
そしてgdgdで2011一発目。みなさまあけましておめでとうございます。



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