うちのチーム……カタール代表デザートライオンは不思議な奴が多かった。


たとえば、エリザ監督。髪や顔立ちを見ると北欧かどこかの出身だと見えるのに、肌の色を見るとやはりこちら側の人間に見える。まあ、こちらで日焼けしただけなのかもしれないが。

それから、エースストライカーとして主な得点元、ザック。あの小柄な体ながら、なかなかの脚力を持っている。マジティとは以前から知り合いなため、同じくストライカーのマジティと共に驚いた覚えがある。


そして、ビヨン。
ビヨン・カイル。このデザートライオンを率いる最高の狩人だ。チームで一番スタミナがあるのもこいつ。
ビヨンは背に3を背負ってオレの視界を邪魔してくる。そしてFPにいうんだ、「狩りの時間だ」。


そんでもってビヨンにはまだ謎が多かった。


笑ったところを見たことがないのだ、オレ達は。

実のところ、オレは代表チームに選ばれるほどはあって、カタールでは結構名の知れたキーパーだし、所属しているチームをカタール全土の大会にだって連れていったことがある。マジティもだし、スライなんかもそういった場面で出会った。



しかし人間とは本当に好奇心旺盛なもので、オレは単身ビヨンのところへ寄った。



「なあ、ビヨン」
「なんでしょう」



こうして同い年であるはずのオレ達に敬語を使うあたりも謎だ。


「おまえ、笑ったこと、あるのか?」
「何を急に……」



ビヨンは綺麗な顔立ちをしている。濃いアイメイクを落とせばわかりやすいだろう。
褐色の肌は生まれつきなのか、綺麗な色で、別の意味でも色を醸し出している。

「おまえ、笑った方がかわいいぞ、きっと」
「そう言われても嬉しくありませんが、それは私に対する愛の告白だと受けとるべきなのでしょうか」
「……好きにしろ」



するとビヨンは、口元だけながらも、ふわり、と笑んだ。





20110103
ナセビヨ。しかしナセルだとわかる要素が薄い。
口の端をあげるだけ、あなたならそれでわかるハズ

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