レオーネは、噛み付いた。文字の如く。



床に散らばる衣服。軋むスプリング。さて、これほどいえば、状況をわかってもらえるだろうか。
フローリングには水色と白のストライプやら脇に入った青いラインやら。そしてご丁寧に、11と10、個人を表しているその衣服は本来眠るべきところで戯れている主から剥がされ、寂しそうだった。
……いや、戯れているとか、そういう問題ではないのだが。



「フィリップ、声抑えないと聞かれるぞ」
「ッはぁ……、お前っが、ぁ、こ、なことさえしなければ……あぅっ」


明るく元気よく、人懐こいレオーネと。
チームのキャプテンであるエドガーを慕い、尽くすフィリップ。


かたちは違えど、犬のようだ。



だからか、ふたりは夜の生活では激しいものを好む。
そう。たとえフィリップが普段は突っぱねていたとしても。



確かにレオーネにはそんなフィリップを包み込む器の大きさがある。しかし、フィリップは例えるならば忠犬。強く出られると、どうしてもそれを受け入れてしまうのだ。



「フィリップ、愛してる」


そして、甘やかされることも、決して満更でもない。

だからこそ、事後の睦言にも照れつつ、内心頬が緩んでいた。


「フィリップの首とか肩、すっごい痕」
「お前が付けたんだろう。何度も噛み癖を直せといっているのに」
「まあフィリップも悦ぶし、オレのもんだってわかって、いいっしょ!」



フィリップは珍しく、レオーネに自分から擦り寄った。




犬は犬でも
(フィリップは忠犬)
(レオーネは発情期の雄犬)




まさかの初レオフィリは微裏。しかし楽しかった




20101229
犬は犬でも

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