「今日は、オレ達の日なんだと」
「私達の日?」



10月10日。毎年やってくるものだが、一年に一回しかやってこないもの。私とバーンはそれぞれ背番号が10番だから、私達の日なのだろう。


「読者サービスしろってことだけど、何する?」
「別に何もしなくていいだろう。私達が拝めるだけ幸運だと思え」
「まあ、そう言わずにさ。これ、ガゼル好きじゃねえか」



ポッキー。
私は食べ物の中で一番好きなものはと聞かれると、アイスと迷わず答えられるだろう。だが、甘いものは基本的になんでも好きだ。私の柄ではないが、どうも甘いものを食べると優しい気持ちになれる。


バーンがポッキーを口に咥える。
……まさか、これを食べろ、とでも言う気なのだろうか。


「早くしろよ、全部オレが食っちまうぞ」



そんなことをされてなるものか、そう思いバーンの手にあるポッキーの袋に手を伸ばすが、ひょいっと交わされてしまう。口に咥えられたポッキーをぐいと差し出される。これを食べるしかなさそうだ。



「……食べればいいのだろう、食べれば」



思い切って目を閉じ、ポッキーにかぶりついた。







2010.10.10
南涼の日ということで。しかし涼南とも取れる日なのでガゼルたまに頑張ってもらいました。私の中のガゼルたまはツンデレで恥ずかしがりで乙男風。甘いもの好きはもう必須だろとか言ってみる。
頑張ってみた

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