この時、エドガーは運命というものを信じずにはいられなかった。
FFIにて知り合ったイナズマジャパンのキャプテン、エンドウ。彼は馬鹿にし甲斐がないくらい馬鹿だが、愛らしくつれないマネージャーを何人も従えている。私の力が必要だと言うものだから、いい機会、あの美しいマネージャー達をまた目にするのもいいと思い、承諾してジャパンエリアにやってきた。イギリスエリアから最も近いのもここ、ジャパンエリアである。
「円堂、どうだったんだ」
「ああ! エドガーもオーケーしてくれた。エドガー、早速サッカーしようぜ」
各国代表はリザーブを入れて16人までというのが大会規定なのだが、そこには今まで見たことのない選手もちらほらといる。中でも異彩を放っていたのが、ドリンクを手に取った水色の髪の少年である。緩いウェーブを描いた背中に届く髪には艶があり、彼が動く度にきらきらと輝いている。背中にはちゃんと背番号があるため、選手なのだろうが、それにしてはかなり線が細い。あの2番を着たポニーテールで足の速い彼も相当細いが、きっと同じくらいだろう。
「エドガーにはツートップでフォワードを頼む」
「お前とツートップの風丸一郎太だ、よろしく」
私と並ぶのが、あの線の細い少年だというではないか。しかも、よくよく見ると、2番と似ているような気もするが……。
美しい。そう思えた。
美しいのは髪だけかと思っていたら、顔の造形も非常に芸術的なのだ。長い睫毛に縁取られた赤褐色の瞳に、桜色の唇。すこしだけ少女めいて見えるのも、これまた美しいではないか。前髪で隠された左目も気になる。細い肢体も折れそうに見える。
「私はエドガー・バルチナスです。よろしく、カゼマル」
「ああ、エドガー」
もしかして、私はこの美しい少年に逢う運命だったのではないだろうか。
私をスカウトしたイナズマジャパンが皮肉にも有難かった。
2010.10.10
エドDE風だろここはやっぱり。そういうわけで書いてみた。難しいぞ。
需要があれば続くかもしれない。
感じられずにはいられなかった