「なるほどね、そういうことか」
「それは確かにいい案だ」



ザ・カオス戦から数日。鬼道がオレと吹雪に連携必殺技を作ってみないかと誘った。誘ったというか、勧めた。ザ・カオス戦……赤毛の炎のストライカー、バーンと銀髪の氷のストライカー、ガゼル。そのふたりによって放たれるファイアブリザードなる必殺技に大層苦しめられた。それと同じように、オレと吹雪での連携必殺技が必要だといわれた。宇宙人と名乗る奴等、先程のバーンやガゼル、そして最終決戦の相手、ザ・ジェネシス。勝たなければ日本は破壊される。負けるわけにはいかないのだ。


だが……。




「今、フィールドに立てない吹雪に無理を言っているのはわかっている」


吹雪は今、フィールドに立てない。事故で両親と双子の弟を失い、そして先の沖縄での戦いで、デザームに「要らない」といわれ、自信もなにもかもなくし、フィールドに立つのが怖くなった……というのが簡単な経緯だ。



「ううん、大丈夫。頑張ってみるよ」




オレは悩んでいた吹雪にひとこと、こう言った。
「オレは完璧でなくてもサッカーが楽しい」と。


「それじゃあ、頼んだぞ豪炎寺、吹雪」



鬼道は立案だけすると、デスゾーン2の更なる高みを目指すために円堂と土門のところへ行った。吹雪をちらりと見ると、吹雪もこちらをちらりと見て、同じくらいに視線を鬼道達に向けた。デスゾーン2、最近帝国学園で完成したものだ。


「……すごかったよね、バーンとガゼルのファイアブリザード」
「ああ」


チームメイト達はふたりが協力しているのを見て、かなり驚いていた。普段協力しないどころか、元々対立していたふたつのチームのそれぞれキャプテンだったそうだから。



「アフロディの為にも頑張らないとな」
「うん」


吹雪の代わりとして世宇子から助っ人に来てくれたアフロディ。本来はMFらしいが、あの決定力を目の当たりにしては、FWに上げざるを得なかった。オレがいても、エイリア学園と戦うだけの決定力には届かなかったからだ。そしてザ・カオスの戦った際に何度も攻撃を受け、入院してしまったアフロディ。その恩に報いたいというのは吹雪も同じらしい。



「それよりも僕、豪炎寺くんのこと、もっと知りたいな。よく知らないから」


その言葉に面食らったが、確かに互いをよく理解した方が連携しやすいだろうと思い直して、吹雪とベンチに座った。








2010.10.09
豪吹の日でもあるだろと思って。ほんのりとした甘さだといい。つか糖分多くならなかった。
炎のストライカーと氷のストライカー

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