新novel | ナノ
鉄板の上のように暑かった屋上も
座るとひんやり冷たくなっていた


移動しようか悩むけど

じんわりあったかい太陽と
カラっと気持ちいい空気が
まどろみに引き込む


ばたっとドアを開ける
人の気配


ペタペタと鳴るサンダルの音に
少しだけ笑ってしまう


−なにのんきに笑ってやがる


少し不機嫌な彼は
煙草を乱暴に吸って

気持ちいい風に紫煙を乗せた


先生も天気良いと思うでしょ

と、笑ってみせると


お前のサボりと一緒にするなと一蹴された


口を尖らせる私に
少し笑って

とりあえず授業出ろと促す


穏やかな日に気分がよくなった私は
いきおいよく地を蹴って起き上がる


それでも
そのまま行くのは癪で

ひらひらの白衣の中に入り込んでやる


驚いた顔の先生に
ちゃんと勉強するからと


ご褒美をねだって離れる小さく舌打ちをした先生に


笑って

屋上をあとにした

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