新novel | ナノ
昼休みのこの時間はいつも決まってパンの耳をばらまく人がいるから

購買での戦争に友達が旅立つと私はあの場所へ向かう


人気のない2階の廊下の窓、
見下ろすとちょうど中庭が見える

今日はあえて声を掛けずに見つめてみる


ばさばさと集まるハトに
嬉しいんだかかったるいんだかな表情で餌をあげてる


‥本当素直じゃないんだよなあ


思わず、クスッと笑いが漏れる

気配を感じたのか由紀が顔を上げる

眩しいのか睨むような目線をこっちに向けて誰がいるのか判断してる

すぐに分かったのか口パクで
「こっちにこい」
と、言う


いつもは従順に言う通りにするけど今日は違う気分

‥せんせ、悪く思わないでね



べっ、と舌を出してみせると先生は眉間に皺を寄せて明らかに不機嫌な顔になる


そして、おもむろに白衣から携帯を取り出すと何かを打ち込んでる

少し経って私の携帯が着信を知らせ、メールをみると



2010/06/17 12:15
From 冴島由紀
Sub 無題


俺の誘いを蹴るなんて度胸あるな

と、表示されている


う〜ん‥、どうしよ
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