新novel | ナノ

神蘭を卒業してから早半年


慣れ始めた大学に通い
気ままな一人暮らし

他人から見たら充実してるように見えるこの生活も、私からしたら空っぽだった


高2で出会ったあの教師とは
つかず離れずな距離感を保たれ、ついには告白すらさせてくれなかった

卒業式のあとも時間があるくせに
「体育館の片付け」だとか「会議がある」だとかで一切取り合ってくれず、しまいには寮生たちとともに寮に帰された


そのときは、きっと後でメールが入るはずと期待したものの1ヶ月経っても2ヶ月経っても着信すらなかった



期待した私が馬鹿だったと、
でも少しでも想い合っているかもと
グルグル心の底で渦巻く気持ちを無理やり押しやって

今日も一人でベランダに出て先生愛用の煙草を口にする

苦くて咽せるこの煙にすら先生を感じて、嘲笑と愛を吐く


…最初は煙草なんか大嫌いだったのになあ



ねえ先生、
毎日が輝いてた日々を取り戻したい私を笑いますか

いま、何を感じて仕事してるの

先生がいないこの街は地獄です

いつまでも先生に縛られる私はこれだけの想いを育てさせたあなたを恨みます

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