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俺は最近思う
…なまえは犬なんじゃねーかって

いや、俺の頭は正常だ。なんともねぇ

試しにストレッチ中のアネゴに聞いてみようと思う


「アネゴ」


「なんです、ルツ」


「あのよ、なまえって犬じゃねえか?」


「…尻に傷を負いすぎて頭までおかしくなりましたか?ルツ」


「い、いやいや!おかしくなってねえよアネゴ!
正しく言うと、レームのおっさんと居るときのなまえが犬ってことだ」


「ああ、レームと居るときのなまえ。
なるほど、確かに犬のようですね。」


「俺的に絵に描くとこんな感じ」





「…まさしく、ですね」


「だろ?!
って噂をすればレームのおっさんじゃん、おーい」



「ん?呼んだかルツ」


「なあ、一つ頼みがあるんだ」


「なんだよ、水なら自分で買ってこいよ」


「違うって、あのよなまえに…−−」


「ハァ?なんでンな事しなきゃなんねえんだよ」


「絶対やるから!あいつなら絶対!
そして絶対面白い!」


「…まァ、しょうがねえ
気が向いたらな」


「おう!頼んだぜ!」



−翌日


今日は夜の8時まで待機
今は午前9時、か

ホテルの部屋は大部屋を借りて全員がソファやら椅子でダラダラしてる
なまえはといえばバルメの隣りで携帯をいじっている


チャンスとばかりにルツがさっきから目線を俺に送ってくる
…まあ確かに少し面白そうだしな、やってみるか


「おいなまえ」


「なーに、レーム!」


俺が呼ぶと即座に携帯から目を離しこちらに顔を向ける
言われてみれば犬だな、本当に。


「ちょっとこっちこい」


「うん!」


カウンター席に座ってる俺の隣りの椅子に素早くやってくるなまえ
目をめちゃくちゃ輝かせている、そんなに嬉しいのかコイツ

…よし、作戦決行だ



「なまえ、お手」


「はい!」


手をなまえに向けた瞬間バッと手を乗っけたなまえ
本当にやりやがったコイツ…

ルツやバルメ、というか全員が肩を震わせている
あのヨナまでもが。



「…なまえ、おかわり」


「はい!」


さっきと同じように手を乗っけたコイツはもう完全に犬だ
間違いない


ルツはもう吹き出す寸前だ
とどめをさしてやるか



「なまえ、3回回ってワンって言え」


「はい!」


なまえは返事をしたあと椅子から立ち上がり3回きっかり回り
そしてわん!とキラッキラした顔で言う

もう駄目だ、コイツは重症だ



「「ダッハッハッハッハ!」」


俺となまえ以外の全員は我慢の限界に達し笑い転げている
ルツとアールはもう引き笑いをしている


なまえは何がおかしいのか分からないようで不思議そうな顔をしている
…外へ出るか



「なまえ、ベランダ出るぞ」


「はい!」


やばい、俺までおかしくなりそうだ
今しっぽをブンブンと振ったなまえが見えそうだった

ベランダに出た俺たちを尻目にアイツらはまだ大爆笑している


「おいおい、完っ全に犬じゃねーか!」


「だから言ったろ!犬だって!」


「うん、犬だ。プッ」




−「ね、レーム私が犬ってこと?」

なまえは複雑そうな顔をして俺に尋ねる
…ま、そりゃフクザツだよな


「悪い、少しからかいすぎたな」


少しバツが悪くなって煙草をふかし始める俺になまえはブンブンと首を振ってみせる


「んーん!嫌ってわけじゃなくて
っていうか私、犬でいいよ
だってその通りだし!」


「おいおい、認めるのかよ」


「なんだっていいんだもん、レームの隣りにいられれば!」


「お前…」



だいすき!ご主人様!


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